2011/11/01(火) 難所また難所、スーパーウーマン達 テシラプチャ峠(5755m)超白銀の世界

 

●●●トレッキングデータ●●●

ジャボ(4806m)06:48発 → テシラプチャ峠AC(5755m)15:05着 歩行距離6.69km
標高差 949m  総上昇量  981m  総下降量  33m  歩行時間8h17m

移動データ

4時30分起床、今日は自分で朝飯を作る、と言ってもアルファ米に湯をいれてお茶漬
けにするだけだけど。ガスで暖を取りながら急いでかき込み出発の準備をする。
登り始めて約一時間、今までで一番の難所、ポーター達は40kg50kgの荷物を持って
20cmも無いステップに足を乗せる、踏み違えれば100mくらい垂直に落ちる。さすがに
ポーター達も補助が必要だ。

YouTube パルチャモ峰日誌-1101 1m11s




YouTube パルチャモ峰日誌-1102 31s




今までで一番の難所と言ったがまだまだ続く。

山下さんの温度計はマイナス14度、私の温度計はマイナス6度、
手足がビリビリする、風が当たるとホホが痛い
パサンキダが氷の壁に足場を刻んでいる
二人の女性ポーターは淡々と登る、へえへえ言っているのは私だけか?
しかし足は順調です、へえへえは息を整えているだけで、そんなにきついわけではな
いのです。
今はね(^^;

YouTube パルチャモ峰日誌-1103 1m36s




女性ポーターが先行して壁を登って行く、パサンが補助してあげる

YouTube パルチャモ峰日誌-1104 1m45s

 




次は一番重たい荷物を持つモテ、ついに途中で荷物が持てなくなる
上からパサンキダが引っ張り、下からパサンカーミがストックで押し上げる

YouTube パルチャモ峰日誌-1105 20s




パルチャモ峰が右上にいきなり見えてきました

YouTube パルチャモ峰日誌-1106 29s




テシラプチャ峠がやっと正面に見えた、ここは標高5200mまだ標高差500m以上ある
今からクレパスを越えるという

YouTube パルチャモ峰日誌-1107 20s


 

磨かれた岩

岩と氷河

何万年もかけて氷河から磨かれた岩、ここに露出している巨大な岩は全てなめらかな
ラインが付いている。

お化けの氷河




テシラプチャ峠の先端はまだまだ先の話だった。お化けのような氷河が目の前に立ちふさがる。どこから先に進むのでしょうね。







標高5300m、サングラスをのけるとまぶし過ぎて目を開けられない。ビデオも感覚で
撮っているからどのように映っているのかわからない。みんなが踏みしめたトレース
を、下を向いてただ黙々と歩いて行く。

YouTube パルチャモ峰日誌-1108 1m32s




皆に取りのこされてしまう、音一つしない静寂の世界、世界で私一人だけの空間。

YouTube パルチャモ峰日誌-1109 59s




昼食場所に着いたらみんな出発してしまった

YouTube パルチャモ峰日誌-1110 10s




テシラプチャ峠とパルチャモ峰


今度こそ本当にテシラプチャ峠が見える。現在標高5700m、峠の右下のくぼみに遺体が一つ有ったと山下さんが言っていましたが、私はへろへろで気が付かなかった。パサンキダに聞くと四体の遺体が有るとのこと、全部カトマンズのポーターで高所に暮らすシェルパ族は事故に遭う事も無いそうです。都会(カトマンズ)のポーターは弱いと言いたかったのか。

YouTube パルチャモ峰日誌-1111 24s


 

テシラプチャ峠



 

テシラプチャ峠の分岐点、左がロールワリン、右がエベレストに続く。

アタックキャンプ

 






2時49分、テシラプチャ峠を越えた約100m先、やっとアタックキャンプ(5759m)に到着しました。
すぐ寝てはいけないと言われましたが、みんなの手伝いをしたくても体が動きません。




テントの後、男の顔


私のテントの後、直径一メートルくらいの雪の固まり、男の人の顔に見えませんか。
その時は思考力も弱く誰かが雪像でも作ったのではと思っていました、後で山ちゃんに聞くと、全然気が付かなかったけど、デブリ(雪崩で落ちてきた雪の固まり)と思うが、案外この中に遺体が有ったりする、なんて脅かされました。
と言う事は雪崩の恐れのある所に一晩寝かされたのか、ひぇ~っ。(> <)

氷を溶かす

アタック前夜食事



マイナス20度近い世界、テントに置いたウインナーをむこうと思ったら鉄のように固
くなっていた。シェルパ達のテントに食事に行くのもおっくうだから(1mしか離れて
ない)一人で食事。パサンが取って来た氷で湯を作りアルファ米と牛丼の具、卵スー
プ。

午後7時に寝る、夜11時に軽い頭痛と吐き気で目が覚める、ウーウー言ってると山下
さんのテントからボルタレンと、さ湯をいっぱい飲みなさいとの指示。
やっぱり駄目か、前回と同じかと思った。もういいか、明日ゆっくり寝ておけるなと
か考えて。意外とへたれな私である。登らないにしても頭痛と吐き気は苦しい、体を
起こすまで20分は唸っていただろうか、飲んだらすぐに寝てしまった。
朝三時に起こされると、嘘のように良くなっている。準備するしかない、観念した。
朝食用のお茶漬けも作る気がおこらない、パサンに紅茶をテルモス一本分作っても
らって、行動食を二本食べながら準備をするが、なかなかはかどらない。
四時出発予定が私のせいで30分遅れたらしい。らしいというのは私に記録が無いか
ら、いつもは必ず出発時に写真を撮るし、写真は日時を正確に合わせているので時間
がわかるが。写真を写す余裕も無かった