2011/10/31(月) 最果ての地への入り口 ジャボ(4806m) 氷河の上でテント泊

 

●●●トレッキングデータ●●●

チュキマ(4571m)08:46発 → ジャボ(4806m)15:08着 歩行距離6.69km
標高差 235m  総上昇量 789m  総下降量 520m  歩行時間6h22m

移動データ

ダワダモとダワディキが先に出発した

YouTube パルチャモ峰日誌-1001 48s




後の谷を越える






出発して約一時間、頭の上に有る谷を越えていく、
今晩はその下でテント泊。

氷河の上を歩く













氷河の上を歩く、ホコリだらけの隙間からブルーアイスが見える








氷上の岩や砂利




氷の上には岩や砂利、細かい砂ぼこりが沢山る、風が吹けば前が見えなくなるだろう、風が無くて良かった。大きめの岩を選んで歩いて行くが大変歩きにくい。







落石を用心しながら

谷のどこかでゴロゴロと途切れることなく土砂崩れが発生している。岩の落ちてきそうな所を何度も通る。
直射日光は焼けるように暑いが、山影に入るか風が吹くと手が凍えるほど冷たくなる。
今日の行程の標高差はたった235mだが、何度も上り下りを繰り返す今回の旅で一番の難所だった。
ジャボのキャンプ地は氷河の端に有る、今までは氷の上に岩だったが、ここからは氷の世界に入るようだ。
ポーター達が先行してすでにテントを張ってあった。
目の前にそびえるテシラプチャ峠への入り口は垂直に見える崖にブルーアイスの氷河がへばりついている。
どこから取りつくのか全く想像できない。


ジャボのキャンプ地

シェルパとポーターと三人で来ている景子さんも午後五時にたどり着いた。
彼女は20代前半に五年ほど世界中を風来坊していた。その時に旦那と知り合い結婚しアメリカの永住権を取った、ネパールで間違って娘が出来(彼女のジョーク)、人生の予定が狂ったそうだ。やっと娘が一人立ちしたとおもったら、二年前に旦那が癌で亡くなった。
今回は行ける所まで行くと言っているが、意外とカメさんのようにボチボチと峠を越すかもしれない。ここまで到着出来ただけでもすごいと思う。峠を越せずに後戻りしているパーティーが何組もいたのに。


今日は三日月が出ている、特に星空が奇麗に見える。狭いテントに五人がギュウギュ
ウ詰めで早めの夕食を食べた、明日は四時起きです。いま午後八時さあ寝よう。
ちょっと風邪気味、はな水ズルズル、くしゃみ連発。
昼の移動は、寒暖の差が激しく、汗をかいたり冷やされたりを何度も繰り返したから
だろう。しかし血中酸素濃度93%と絶好調、足も痛くない。筋肉痛とは無縁の肉体に
なったのだろうか。

そうそうチェコの夫婦も同じ日にアタックするそうだ。

山下さんがピッケルを出しておいてと言ってきた。今日の行程以上に険しい気がする。
前回アイランドピークの為にカトマンズで買ったブラックダイアモンドのピッケル、
一度も使わないまま持ち帰った、私にとっては明日がピッケルデビューだ。

深夜、右と左と一回づつ大きな雪崩が有った、このテントサイトには来ないとわかっ
ていても、飛び起きてしまう。周りの山には、雪崩の跡が無数にあり、毎日雪崩れて
いる。 今回の旅で一番の難所だった、 とこの日は思ったが、まだまだこの先も難所
だらけだった。