7.どぶさらい


三日目(4月7日木曜日)
今日は阿部吉孝さんという西へ40kmくらい離れた富谷町から来た、軽トラックに乗った頼もしい青年をリクルートしてきた、昨日は六人でちょっと大変だったので、一人増えたとおもったら、二か所同時の仕事が回って来た。急きょ三人の仲間を集め十人で現場に向かうことになった。

住吉町二丁目 阿部さん佐藤さん宅、(石巻は阿部さんだらけ)

ここは湾から2.6kmあるが、旧北上川の堤防から250mしか離れてない。
このあたりは、堤防の中に入り込んだ水が引かずに四日間くらい浸かっていた。


阿部さん宅前の道路

 

家の前の道路は各家庭から出てきたゴミで車一台がやっと通るくらい。
石巻の住宅街はどこもこのような状況。また津波が来たら車が渋滞して危険だ。

阿部さん宅は人が住んでいる、ほとんど片付いているが、隣の佐藤さん宅は他県に避難しており誰もいない。阿部さんが佐藤さんから依頼されてボランティアセンターに申請してきた。




どぶさらい




阿部さん宅の要求は食器棚の撤去と生活用水路のどぶさらい。
佐藤さん宅は車が六台はとまる駐車場の泥の撤去と一階の畳や家財道具の搬出。

二班に分かれ私は鈴鹿の平井さんと二人でどぶさらいにかかった
40mの溝にまっ黒い泥が20cm堆積している両方から二人で半日の作業。



 

 

 

昼からは佐藤さん宅の片付けに合流、ここは家主さんがいないので作業状況を写真に
撮る事が出来ました。現地で写真を取るのは大変難しい事です。

畳の搬出、ここは長く浸かっていたので、六人でないと持てない畳も有った


 






泥の搬出をする一級造園技能士の
田上(たのうえ)さん




 




床を水で洗い流す電気工事士の反町さん(右)、どこも水道が通ったばかりで仕事がやりやすかった。
しかし、その夜の震度6強の余震でまたもや水道はストップした。




 











 






駐車場と家から出された泥





 







搬出された家財道具、
前にいるのが生出(おいで)さん





 





富谷町から軽トラックで駆け付けた
何でも屋の阿部さん(右)
インド食堂の松本さん(左) 




家主がいなかったので冗談言いながら作業は精神的にやりやすかったが、達成感に欠けるねと言うと、富谷町の阿部さんが私が成り代わりましてお礼申し上げますと言ってくれた。

一軒がかたずかないと、その両隣が埃にまみれる。この日、石巻ボランティアセンターには600人のボランティアが来ていた、ボランティアセンターに来ている作業依頼は1000件、毎日増える。してもしても減らない。石巻だけで床上浸水は一万軒を超す、まだ30%も片付いていないらしい。家からゴミを出しても、道からゴミを撤去しないと二次災害が起きる。
梅雨までに泥を片付けないと住民に健康被害が発生し出す。
自衛隊は道を作る作業と行方不明者を探す事で手いっぱい、まだまだボランティアがする仕事はきりが無い。

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